どれも間違いではない。
どれを選んでも成立する。
そんな状況ほど、
判断は止まりやすくなる。
選択肢が多いから迷う、
という説明は分かりやすい。
けれど実際に起きているのは、
数の問題だけではない。
多くの場合、
判断の前提には
「正解は一つある」という考えが残っている。
最も良いもの。
最も合理的なもの。
最も損をしないもの。
その「一つ」を探そうとすると、
複数の選択肢は
比較不能な状態になる。
どれも間違いではない。
だからこそ、
決定的な差が見つからない。
このとき、
迷いは優柔不断ではない。
前提が現実に合っていないだけ
ということがある。
正解が一つではない状況で、
一つを見つけようとする。
その構造の中で、
判断は止まる。
定点に戻って見ると、
迷いは欠点ではなく、
前提のずれを示す現象として現れている。

